【動画公開】デュティユー:響きの形(4つの音響形象) -梨本宮里ピアノデュオ
2019年11月2日、公園通りクラシックスで上演された「梨本宮里ピアノデュオ Contemporary Piano Duo Music-響鳴-」より、アンリ・デュティユーの《Figure de résonances (響きの形)》のライブ映像を公開いたしました。
梨本宮里ピアノ・デュオ(Nashimoto Miyazato Piano Duo)
Primo: 梨本卓幹 (Takumi Nashimoto)
Second: 宮里倫史 (Motoshi Miyazato)
Sound Enginier: 増田義基 (Yoshiki Masuda)
〜プログラムノートより〜
アンリ・デュティユーは、97歳という長命な作曲家にもかかわらず、その作品は100にも満たず寡作であったが、その作品一つ一つが緻密で彼独自の美学に貫かれている。「二台のピアノのための4つの反響形象」は1970年から1976年にかけてピアニストであった妻のピアノデュオのために書かれた。旋法を使った情感的な作品が多いデュティユーのピアノ作品の中では珍しく実験的な作品で、全曲を通して音を鳴らさずに鍵盤を押さえるというような特殊な指示が書かれている。デュティユー自身はこの作品を二台ピアノの表現の響きの可能性を追求した「響きのカタログ」と呼んでおり、残響や共鳴といった場合によっては雑音とされてしまうような音たちに改めて耳を傾けることのできる、啓蒙的な作品となっている。
文/宮里倫史
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