【動画公開】ライモ・カングロ『Klimper Op.20-4』by 梨本宮里ピアノ・デュオ
2019年11月2日に渋谷・公園通りクラシックスにて開催された「梨本宮里ピアノ・デュオ Contemporary Piano Duo Concert -響鳴-」より、エストニアの作曲家ライモ・カングロのKlimper Op.20-4のライブ演奏をYoutubeにて公開いたしました。
この演奏が日本初演となります。是非ご覧ください。
梨本宮里ピアノ・デュオ
Primo: 梨本卓幹
Second: 宮里倫史
サウンドエンジニア: 増田義基
〜Program Note〜
彼の作品に耳を傾けると無意識に拍を刻んでしまう自分がいる。自然と腹の奥を疼かせるその躍動的な鼓動こそが、人類の歴史と共に我々が代々受け継いできた「記憶」なのではないか。などと太古のロマンに思いを馳せてしまうほどに、彼の紡ぐ打楽器的なリズムは特徴的である。かつてハンガリーの作曲家バルトークは、「打楽器が持つキャラクター」をピアノを始めとする各楽器によって再現・表現した。しかし、カングロの書く「打楽器感」というのはどちらかというと、彼が感じ取った「各楽器の持つ打楽器的な特徴」を凝縮・表現した結果なのではないだろうか。
ピアノという楽器は、鍵盤を下げるとその先に付いたハンマーが、ピアノ内部に張ってある弦を打つ、いうなれば「鍵盤打弦楽器」なのであるが、今回演奏する作品においては、低音から高音まで幅広く用いられる内部奏法によってそんな「鍵盤打弦楽器」の打楽器的な側面が大いに表現されている。
エストニアの音楽界を牽引したライモ・カングロのどこかお祭り的なこの作品を、コンサートの幕開けとしたい。
文/梨本卓幹
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